「ダイエットのために、ごはんに野菜をトッピングしてかさ増ししています」
これ、サロンでもよくうかがうお話です。
ごはんを減らすのはかわいそうだから、野菜でかさ増ししてるんです
その気持ち、とてもよくわかります。お皿の中をみて「これだけで満足できるのかな」と思ってしまうと、飼い主さんのほうがつらいですよね。
そして、野菜でかさ増しをする考え方は間違いではありません。野菜はカロリーが低いので、かさ増しに向いています。
ただ、やり方によっては「がんばっているのに痩せない」ことがあります。この記事では、かさ増しダイエットで気をつけたいことと、私が飼い主さんにお伝えしている方法をまとめます。あくまで一人のトリマーとしての個人的な意見として読んでいただけたらうれしいです。
野菜のかさ増しが「惜しい」理由
ドライフードを減らして野菜を足す。カロリーだけ見れば、確かに減っています。
でも、減らしたドライフードにはタンパク質も入っていました。フードを減らせば、その分タンパク質も減ります。
タンパク質が足りないと、筋肉が落ちやすくなるといわれています。筋肉が減ると代謝も落ちるので、同じ量を食べていても太りやすい体になってしまうことがあります。がんばっているのに痩せない、という状態です。
カロリーを減らすことだけ考えると、こういう落とし穴があるんです。
かさ増しするなら肉や魚のトッピングがおすすめ
ドライフードを減らすことに罪悪感があるなら、減らした分だけ、茹でた肉や魚、野菜をのせてあげてくださいと飼い主さんにお伝えしています。
おすすめの理由は、これらの食材は水分をふくんでいるので、見た目のわりにカロリーが低いことです。
ドライフードは水分が少なく、少量でもカロリーが高めです。反対に茹でた肉や魚、野菜は水分がある分、同じ見た目の量でもカロリーは控えめになります。お皿の中身は減らないのに、カロリーは下げられるのです。
野菜だけより、肉や魚を優先して
かさ増しというと野菜を思いうかべる方が多いのですが、私は野菜より、肉や魚といった動物性タンパク質をプラスしてほしいと思っています。肉や魚ならタンパク質も一緒にとれるので、筋肉を守りながらカロリーを落とせるからです。
肉だけのトッピングでも十分です。野菜をのせるなら、肉も一緒に入れてあげてくださいね。
1食に1〜2種類でOK
たくさんの種類を用意する必要はありません。1食に1種類か2種類のせるだけで十分です。
そのかわり、少しずつトッピングする食材を変えてみてください。味が変わるので「今日は何かな?」とごはんの時間が楽しみになりますし、いろいろな食材から栄養がとれるのでバランスも偏りにくくなります。
続けやすくするためのポイント
時間があるときに肉や魚、野菜を茹で、小分けにして冷凍しておくと使いやすいです。ドッグフードがメインなら栄養バランスはとれているので、トッピングに味付けは不要です。
かさ増しでよくある"惜しい"パターン2つ
①「たくさんあげられる」と喜んで、あげすぎてしまう
以前、飼い主さんに「手作りごはんにすると、ドライフードより見た目の量をたくさんあげられますよ」とお伝えしたことがあります。すると、とても喜んでくださって——結果、体重は変わりませんでした。
あとになって「家族からこんなにあげるの?と言われちゃったんだよね」とうかがって、かなりの量をあげていたのだとわかりました。「かさ増しできる」=「たくさんあげていい」ではありません。ここは、私の伝え方も反省したところです。
②野菜を多くしすぎて、うんちがゆるくなる
ヘルシーにしようと野菜をたくさんあげて、うんちがゆるくなったという話もよく聞きます。
犬は人より腸が短く、野菜の消化はあまり得意ではありません。野菜は「たくさん」ではなく「少量」が基本です。
くわしい量の目安は、犬が食べていい野菜一覧の記事にまとめています。
ダイエット中のおやつ|量とあげ方のコツ
大切なのは「何を」より「どのくらい」
正直にいうと、量さえ調整できれば、おやつは基本的に何をあげても大丈夫です。
ただ、その調整がむずかしいんですよね。欲しがる顔を見ると、つい手がのびてしまう。「何をあげるか」より「どのくらいあげるか」でつまずいている飼い主さんがほとんどだと感じています。
欲しがるからつい……という飼い主さん、多いんです。あげるのをやめるより、あげ方を変えるほうが続きます。
そこで、食材選びより先に「あげ方」からお伝えします。
小さく切って回数を増やす
おやつは大きな塊のままあげず、小さく切ってあげてください。小粒タイプのドライフード1粒くらいの大きさで十分です。
犬は「大きさ」より「もらえた回数」で満足するといわれています。大きなおやつを1回もらうより、小さなおやつを数回もらうほうがうれしいのです。
同じ量でも、分けてあげるだけで満足度が変わります。まずは、いつものおやつを半分に切るところから試してみてください。
ジャーキーより茹で鶏|水分で満足度を上げる
市販の乾燥したジャーキーは、水分が抜けているぶん小さくてもカロリーが高めです。
反対に茹でた鶏肉は水分をふくんでいるので、同じカロリーでも量を多く出せます。お皿に出したときのボリュームが違うので、その分だけ満足度も上がります。
ダイエット中でもあげていい食材
あげ方さえ守れば、選択肢はいろいろあります。
- 茹でた鶏肉(ささみ・むね肉)
- きゅうり
- 茹でたブロッコリー
- 茹でた人参
- 少量の果物 など
野菜や果物は、犬によって合う・合わないもあります。量の目安は犬が食べていい野菜一覧と犬が食べていい果物一覧にまとめているので、あわせて確認してみてください。
まとめ
- 減らした分は茹でた肉や魚で。水分があるぶん、見た目の量はそのままでカロリーオフ
- 野菜より肉・魚を優先。肉だけのトッピングでも十分
- 「かさ増しできる」=「たくさんあげていい」ではない
- おやつは小さく切って回数を増やす
体重の落とし方に迷うときや、持病がある子は、かかりつけの動物病院にも相談してくださいね。
ダイエットを気にかけている時点で、その子はとても大切にされています。減らすことより、中身を変えること。それだけで、ごはんの時間は楽しいままにできますよ。