手作りごはんを始めると「カルシウム、足りているのかな」と不安になる日もあるのではないでしょうか。
そんなときネットで調べると「手作り食は不足しやすい」と出てくるので、よけいに心配になりますよね。
結論から言いますと、カルシウム不足についてあまり心配しなくていい場合と、意識して入れたほうがいい場合とがあります。
今回は、自分の場合はどちらに当てはまるか確認できるようにまとめてみました。カルシウムが不足すると、多すぎるとどうなるかも合わせて確認してみてください。
愛犬の手作り食、5年のわが家のカルシウム事情も合わせてシェアするので、参考になればうれしいです。
カルシウムが足りているか、確認したい3つのこと
カルシウムが足りているかは、以下の3つのことみてみましょう。
- 手作りの割合は?(全部手作りか、フードとの併用か)
- 愛犬の年齢は?(成長期の子犬かどうか)
- カルシウム源になる食材を使っているか
① 手作りの割合
総合栄養食のドッグフードを併用しているなら、カルシウムが大きく不足することは考えにくいと思っています。総合栄養食は、そのフードと水だけで必要な栄養がそろうように作られているからです。
ただ、「フードは使いたくない」という方もいると思います。添加物が気になる、食いつきがよくないなど、理由があって手作りごはんをはじめたはずです。
手作り食の割合が多いほど、カルシウムを食材から意識して入れることになります。
何を使えばいいかは、この記事の後半にまとめました。
② 年齢
骨をつくっている最中の子犬は、過不足の影響を受けやすいとされています。とくに大型犬は、あとで詳しく書きますが「足りない」も「多すぎる」もリスクになります。
子犬に完全手作りをするなら、自己判断ではなく獣医師や犬の食事の専門家に食事内容を見てもらうことをおすすめします。
③ カルシウム源の食材
カルシウムを含む食材を普段使えているかの確認が必要です。
手作りごはんの中心はお肉と野菜になりがちですが、お肉にはカルシウムがほとんど含まれていません。お肉と野菜だけを回していると、意外と入ってこないんです。
フードを併用している成犬なら、神経質にならなくて大丈夫です。
わが家の場合|全部を手作りにしていません
正直にお伝えすると、わが家はすべてのごはんを手作りにしているわけではありません。忙しい日や疲れている日は、無理に作らないと決めています。
完全に手作りの日もあれば、市販のフードを使う日、フードに少しトッピングするだけの日もあります。
この組み合わせのおかげで、カルシウムをそこまで気にせずにやってこられました。「毎日きっちり手作りでなくていい」この気楽さが、続けられている一番の理由です。
全部作らなきゃ、と思わなくていいんです
もうひとつ、1食ずつではなく1週間~2週間ほどのまとまりで栄養を見ています。
人のごはんも、毎食きっちり栄養を整えている人はまずいません。「今日はお肉ばかりだったから、明日は野菜を多めに取るようにしよう」などその日のメニューから調整しますよね。
そのように毎食完ぺきを目指さないで、1週間や2週間などトータルで見れば、だいたい成り立っています。
カルシウムが足りないとどうなる?
不足した状態が続くと、骨の発育や健康に影響が出ることがあるとされています。とくに気をつけたいのは、次の2つに当てはまる場合です。
- 成長期の子犬(骨をつくっている最中のため)
- 総合栄養食をまったく使わない完全手作り
実際、インターネットで公開されている手作り食のレシピを分析した研究では、犬用レシピの約7割が、カルシウムの推奨最小値を下回っていたと報告されています(Scientific Reports・2019年)。
完全手作りは、思っているより不足しやすいということです。
実は「足しすぎ」も注意が必要です
カルシウムは、多ければ多いほどいいものではありません。
とくに注意が必要とされているのが、成長期の子犬、なかでも大型犬です。子犬は成犬とちがって、おなかから吸収するカルシウムの量を自分で調節しきれないといわれています。
そのため摂りすぎると、骨が曲がる、短くなるといった骨格の異常につながることがあると説明されています。
「不足が心配だから、とりあえず足しておこう」は危ない考え方です。
成犬の場合、ふだんの食材から入ってくる分で摂りすぎになることは、手作りごはんでしたらまず起こらないでしょう。気をつけたいのは、総合栄養食にカルシウムのサプリメントを加えないことです。
カルシウムが多い食材
不足が気になったときに、まず頼りたいのは食材です。今回は私が普段よく使っている食材の中で、カルシウムが多く含まれているものを調べました。
| 食材 | カルシウム |
|---|---|
| 煮干し | 2,200mg |
| 昆布(素干し) | 780mg |
| さば水煮缶(人用の一般的なもの) | 260mg |
| 釜揚げしらす | 190mg |
| 小松菜(生。茹でると150mg) | 170mg |
| 卵 | 51mg |
| ブロッコリー | 33mg |
小魚が群を抜いています。わが家では、野菜やお肉を茹でるときにだしの粉末を入れています。ほかに釜揚げしらすや犬用のさば缶を使うこともあります。
骨ごと食べられる魚は、それだけでカルシウム源になる
魚の骨にはカルシウムが多く含まれています。骨まで柔らかく煮てあるものなら、そのまま食べさせられます。
わが家で使っているのは、サンユー研究所の「日本のみのり 鯖缶」です。犬猫用に作られたもので、選んだ理由はこの2つでした。
- 原材料が国産のさばだけ。味つけされていない
- 中骨まで柔らかく煮込んである
人用のさば缶も骨ごと食べられますが、塩分が気になりますよね。こちらは犬猫用に作られていて、塩分は通常の水煮の約3分の1になっているのでその点も安心してあげられるポイントです。
他にもいわし缶やサケ缶もあり、どれも骨ごとあげれちゃいます。愛犬の好みの魚はどれかな?と食べ比べも楽しいかもしれません。
だしの粉末は「食塩不使用」のものを
だしを選ぶときの基準は「調味料などの添加物が入っていないもの」です。原材料の表示を見て、余計なものが入っていないか確認しています。
わが家で使っているのは、すなお食堂の「まるごとうまみだし」。食塩不使用なので、味つけは自分で調整できます。
原材料は鰹荒節・いわし煮干し・昆布・椎茸の4つだけです。調味料も保存料も入っていません。
使い始めたきっかけは、手作りごはんを学んだときに「だしを入れる」と教わったからでした。風味がよくなって食べてくれますし、ミネラルも摂れたらいいなという気持ちもありました。
私の場合、だしはカルシウムを補うために選んだものではありませんでしたが、結果的に煮干しや昆布などからとれるようになっていました。
野菜は、冷蔵庫にあるものを使う
野菜のなかでカルシウムが多いのは小松菜です。消化しやすいように細かく刻んで茹でています。ちなみに茹でると少し減ります(170mg→150mg)が、気にするほどの差ではないと思っています。
ほかにはキャベツ、にんじん、ピーマン、パプリカ、大根、なす、きのこ類、さつまいも、かぼちゃ、ブロッコリーなど、そのとき冷蔵庫にあるものを使っています。野菜の選び方は犬が食べていい野菜一覧にまとめました。
毎食同じ野菜だけだと、栄養が偏りやすいので、いろんな野菜を少しずつ使ってみてくださいね。
リンとのバランスも見られています
カルシウムは、量だけでなくリンとの比率も大切だとされています。犬にとっての目安はカルシウム:リン=1:1〜2:1と説明されることが多いです。
リンはお肉やお魚に多く含まれます。お肉ばかりが続くとリンに偏りやすいので、その意味でも小魚や葉物が回っていると安心です。
先ほどの研究でも、犬用レシピの76%がこの推奨比率を下回っていたと報告されています。量だけでなく、組み合わせの話でもあるということですね。
フードを使いたくないときの選択肢
「ドッグフードは使いたくないけれど、栄養が心配」という方もいると思います。そういうときは、手作りごはんのベースになる商品を使う方法もあります。
わが家で試したものはベースデリの記事にまとめました。あくまで手作りを続けやすくするための選択肢のひとつです。
サプリメントという選択肢
食材だけでは足りていないかも、というときはサプリメントという手もあります。足りていない可能性が高い場合の、選択肢のひとつです。
もし使うなら、私は卵殻カルシウムを選びます。原材料が卵の殻だけのものがあり、余計なものが入っていないからです。
ただし量は必ず守ってください。前に書いたとおり、摂りすぎにもリスクがあります。とくに成長期の子犬や大型犬は、自己判断で足さないでください。使うかどうかも含めて、かかりつけの獣医師や食事の専門家に相談してからにしてほしいです。
卵殻カルシウムはごく少量で必要量に届きます。商品ごとに1日の目安量が書かれているので、目分量ではなく、その表示どおりに使ってください。
本当に足りているか知りたいときは
足りているかを本当に知りたいなら、食事の内容そのものを計算するしかありません。食材の数値なら、文部科学省の食品成分データベースで誰でも無料で調べられます。
ただ、比べる相手になる犬の栄養基準は、英語の資料が中心です。体重や年齢ごとの必要量も出すことになるので、飼い主が自力でやるのは、正直かなり大変です。
また、血液検査を受けても、食事のカルシウムが足りているかどうかは分かりません。
血液中のカルシウムの濃度は、体のはたらきによって一定に保たれているといわれています。そのため食事で足りていなくても、検査の数値は正常に出ることがあるそうです。
「健康診断の数値が正常だから食事も大丈夫」とは言い切れません。
ただ、計算を毎回やるのは現実的ではありません。だからこそ、手作り食の割合や年齢、カルシウム源になる食材を使っているかの確認が役に立ちます。当てはまるものが多いほど、一度きちんと見てもらう価値があります。
心配が残るなら、かかりつけの先生や食事の専門家に、実際に作っているごはんの内容を伝えて相談してみてください。
まとめ
- 確認するのは①手作りの割合 ②年齢 ③カルシウム源の食材の3つ
- フードを併用している成犬なら、心配は小さい
- 完全手作りと成長期の子犬は、意識して入れる
- 足しすぎもリスク。とくに成長期の大型犬
- 食材なら小魚と葉物。お肉にはほとんど入っていない
- リンとのバランスは1:1〜2:1が目安
- サプリを使うなら卵殻カルシウム。量は守る/子犬と大型犬は獣医師に相談
- 血液検査では分からない。知りたいなら食事内容の計算
まず、この1週間でカルシウムが含まれている食材を使ったかを思い出してみてください。一度も出ていないなら、次の買い物で煮干しやしらすをカゴに入れてみるところから始めてみてください。
