愛犬の爪が黒くて「どこまで切っていいか分からない」「切りすぎて血が出たら怖い」そう思うと手が止まってしまいますよね。
サロンにも「家で切ろうとしたけれど、血が出そうで怖くてできなかった」という理由で来られる飼い主さんがほとんど。
一般的には白い爪で説明され、ピンク色の部分(血管)の手前まで切れるとされていますが、黒いとその目安が見えないから不安なんですよね。
でも安心してください!ほかの目安があります。
結論からお伝えすると、ご家庭では「肉球から出ている分」を切れば十分です。血管ギリギリまで切ろうとする必要はありません。
黒い爪は「肉球から出ている分」まで切れば十分
黒い爪では血管が見えないため、肉球を目安に切ると安心です。
足を横から見たとき、肉球の底(床に着く側)からまっすぐ前に線を伸ばしたところを思い浮かべます。爪の先がその線より下に出ていたら、出ている分が切る範囲です。
判断に血管を使わないので、迷わずに切れます。
ただし、シニア期の子には当てはまらないことがあります。理由はこのあとお伝えします。
私はサロンで黒い爪の場合、爪切りの最初の目安として肉球を見て始めています。
切れたかどうかは、床の音で確かめる
爪が伸びてくると、フローリングを歩くときにカチャカチャという音が増えてきます。これが「そろそろ切りどき」のサインです。
切ったあとに音が減っていれば、必要な分は切れています。長さをミリ単位で測る必要はありません。
ただし爪の生え方や肉球の厚みによっては、切っても音が鳴る子がいます。音はあくまで目安のひとつとして使ってください。
サロンが血管ギリギリまで切る理由
トリミングサロンでは、血管の手前ギリギリまで短く切ります。ただ、この切り方を見て「家でも同じようにしなければ」と思う必要はありません。サロンと家庭では、そもそも条件が違うからです。
サロンで愛犬に会えるのは、多くの場合1か月に1回程度です。次にお手入れできるタイミングが限られます。
だからこそ、次に会うまでの1か月間、伸びても生活に困らない長さにしておく必要があります。その答えが「できるだけ短く」なのです。
一方、ご家庭なら気になったときにいつでも切れます。こまめに伸びた分だけ切るだけで生活に支障は出ません。
爪を切る目的は、肉球で地面をしっかり踏めるようにすること
そもそも爪切りは、爪を短くすること自体が目的ではありません。肉球を使って、地面をしっかり踏んで歩けるようにするために切ります。
爪が長いままだと、肉球より先に爪が地面に当たります。肉球が接地しにくくなり、フローリングでは滑りやすくなることもあります。
逆に言えば、その目的が足りていれば十分です。完璧な短さでなくても、歩きやすくなっていれば爪切りの役割は果たせています。
すでに滑りが気になっている場合は、フローリングの滑り止め対策も合わせて見直すと効果的です。
シニア期は、肉球が目安にならないことがある
「肉球から出ている分」は使いやすい目安ですが、すべての子に当てはまるわけではありません。肉球の厚みは、年齢とともに減ってくるからです。
肉球が薄くなると、そのぶん爪が長く出ているように見えます。ここで見えている分をそのまま切ると、血管に当たってしまうことがあります。
さらに、この場合は床の音も目安になりません。血管の位置の関係でそこまで短く切れないため、切ったあとも音は鳴るからです。
シニア期の子をもう少し短くしたい場合は、このあとお伝えする断面を見ながら切る方法しかありません。
もっと短くしたい人は、断面を見ながら1〜2mmずつ
「せっかく切るなら、もう少し短くしたい」という方は、切ったあとの断面を見ながらやりましょう。
ライトで血管を照らすことをしなくても、大丈夫です。
1〜2mmずつ切り進めていくと、切り口の真ん中に質の違う丸い断面が出てきます。まわりとは明らかに見た目が違うので、少しずつ切り進めていけば気づけます。
この丸い断面が見えたら、そこで止めてください。これ以上進めると血管に当たります。
大切なのは、一度にたくさん切ろうとしないことです。1〜2mmずつスライスするように切ってみてください。そうすれば、丸い断面が出た時点で止まれます。
血が出ても、あわてなくて大丈夫
正直にお伝えすると、毎日爪を切っているトリマーでも、血管に当たってしまうことはあります。絶対に失敗しない方法はありません。
血が出たときは止血剤を使います。サロンで使っているのはクイックストップという黄色いパッケージの粉で、動物用医薬品です。
清潔なコットンに粉をつけて、出血している爪の先に5〜10秒程度押し当てます。
止血したあとは、愛犬が爪を舐めないように気をつけてください。なかなか血が止まらないときや、痛がる様子が続くときは、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
爪切りは、一度買ったら終わりの道具ではない
意外と知られていないのが、爪切りは消耗品だということです。どの爪切りも、長く使っていると切れ味が落ちていきます。
包丁を思い浮かべてみてください。よく切れる包丁はすっと刃が入りますが、切れない包丁は押しつぶすようにしないと切れません。
爪切りも同じです。切れ味が落ちると、刃で切るのではなく、押しつぶして切る状態になります。
替えどきの見分け方は2つです。
- 切るときに力が要るようになった
- 切る音が大きくなった
どちらかに当てはまったら、買い替えを考えてください。
押しつぶして切ると、犬にとっての不快感が大きくなります。爪切りそのものを嫌がるようになる原因にもつながる可能性があります。
サロンで使っているのは、ギロチンタイプのZan(斬)です。切れ味がよく、余計な力を入れずに切れます。小型犬・中型犬用のほかに大型犬用もあるので、愛犬の体格に合うサイズを選んでください。
Zanを10年以上使ってきた感想や、サロンでの買い替えの頻度は、Zan(斬)爪切りの口コミの記事で詳しく紹介しています。
全部切れなくていい。切れるところまででやめる
最後にお伝えしたいのは、一度に全部の爪を切らなくていいということです。
今日は1本だけ、前足だけ。それで十分です。こまめに切れることが、ご家庭の一番の強みだからです。
嫌がって暴れる、どうしても怖いという場合は、無理をせずサロンや動物病院に任せてください。爪切りだけをお願いできるサロンもあるので、お問合せしてみてくださいね。
