・シャンプーが終わったのに、なんか臭う
・乾かしてもベタつく気がする
・途中で暴れて全然洗えなかった
自宅シャンプーに挑戦したことがある方なら、こんな経験が一度はあるのではないでしょうか。
うまくいかないのは、あなたのやり方が悪いわけではありません。
じつは自宅シャンプーには、知っているかどうかで仕上がりがまったく変わる「順番とコツ」があるんです。
この記事では、現役トリマーの私が実際にやっている自宅シャンプーの失敗しないコツを8つにまとめました。
初めての方にも、何度かやってみたけどうまくいかなかった方にも、今日から実践できる内容だけを厳選しています。
なぜ自宅シャンプーは失敗しやすいのか?
自宅シャンプーがうまくいかない原因は、大きく3つあります。「汚れがしっかり落とせていない」「すすぎが甘い」「乾かしが不十分」です。
しっかり汚れを落とせているかどうかが、仕上がりの臭いやベタつきに直結します。
ブラッシングなどの事前準備も大切ですが、シャンプーの工程をていねいに行うことが、仕上がりを左右する一番のポイントだと思っています。
また、すすぎが甘いとシャンプーの成分が皮膚に残り、かゆみや臭いの原因になります。そして自宅シャンプーでされがちな乾かしの甘さ。濡れた状態が長く続くと皮膚に雑菌が繁殖しやすくなり、臭いや皮膚トラブルの原因になることがあるのです。
では、具体的にどうすればいいか、8つのコツを順番に見ていきましょう。
自宅シャンプーを成功させる8つのコツ
コツ① 濡らす前に必ずブラッシングをする
シャンプー前のブラッシングはとても重要なステップです。抜け毛や毛のもつれがある状態で濡らしてしまうと、毛が水を含んでさらに絡まり、乾かした後に毛玉になってしまいます。
私がお客さまによくおすすめしているのは、スリッカーブラシ(細かい金属の歯がついたブラシ)です。
毛を梳かすイメージでブラシを動かすと皮膚を大きく引っ張り痛い思いをさせてしまします。ブラシは力を入れずにトントンと上下に小さく動かすのがポイントです。毛をしっかりかき分けながらゆっくりやってみましょう。
ブラッシング中はノミ・マダニがついていないかチェックする良い機会でもあります。予防薬の選び方についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
コツ② ぬるま湯でしっかり「予洗い」する
いきなりシャンプーをつけるのではなく、まずはお湯だけで全身を十分に濡らしましょう。これを「予洗い」といい、皮膚の表面の汚れや抜け毛をある程度洗い流すことができます。
お湯の温度は36〜38℃が目安です。ちょっとぬるいくらいが犬には最適な温度なんです。
毛が密度の高い犬種(柴犬、プードルなど)は、外側だけ濡れていて中まで水が届いていないことがあります。シャワーヘッドを皮膚に当てながら根元まで水が届くようにするのがポイントです。
コツ③ シャンプーは必ず薄めて使う
犬用シャンプーを原液のまま使っていませんか?じつはこれが、すすぎ残しの大きな原因になります。
サロンでは、シャンプーを水で4〜5倍に薄めてから使うのが基本です。薄めることですすぎが格段に楽になり、シャンプー成分が皮膚に残るリスクを大きく減らせます。
お風呂場にある洗面器ですぐできるので、すすぎ残しによる皮膚トラブルを防ぐためにも、ぜひ実践してください。
コツ④ きめ細かい泡を作ってから塗る
薄めたシャンプーをそのまま毛にかけるのではなく、先に泡立ててから塗るのがポイントです。泡立てネットを使うと手軽にきめ細かい泡が作れます。
きめ細かい泡は毛の奥まで入り込み、皮膚の汚れや皮脂をしっかり包んで落とします。泡立てが甘いと汚れが落としきれず、乾かした後の臭いやベタつきの原因になるので、しっかり泡立てましょう。
「汚れをしっかり落とせているか」がシャンプーで一番大切なことです。すすぎが楽にできるだけでなく、乾かしも早くなりますよ。
ゴシゴシする必要がないので、皮膚にやさしく洗えるメリットもあります。私はお店でも泡立てネットを使っていて、つのができるくらいのしっかり泡を作るように心がけています。
コツ⑤ 顔は最後にやさしく洗う
全身を洗う順番は「お尻→体→最後に顔」を基本にしましょう。顔まわりは犬が特に敏感なので、いきなり顔から水をかけると嫌がって暴れる原因になります。
顔を洗うときは、シャワーヘッドを直接当てるのではなく、スポンジや濡らしたタオル、手のひらで優しく拭くようにするのがおすすめです。目や鼻にお湯が入らないように注意しながら、ゆっくりと行いましょう。
ポイントは顎を支えて少し上を向かせることです。下を向いていると呼吸の際にお湯を吸ってしまい、苦しくなってしまいます。上を向かせていればその心配がありません。
お店でも、顔まわりが苦手な子は必ずていねいに時間をかけて洗っています。最初から完璧にできなくても大丈夫!焦らずに少しずつ慣れさせることが大切です。
コツ⑥ すすぎは「もう十分かな」のさらに倍かける
シャンプーのすすぎは、想像の2〜3倍の時間をかけるくらいがちょうどいいです。毛が長かったり密度が高い犬種は、外側の毛がすすげていても内側にシャンプーが残っていることがよくあります。
すすぎが不十分だと、乾かした後に皮膚がべたついたり、臭いが残ったり、かゆみが出る原因になります。
手で毛をかきわけながら根元まで流すのがコツです。お尻やおなか部分はすすぎ残しが多い部分なので特に気をつけましょう。
自分がすすぎ終わったと思ったら、最終確認としてもう一度すすぐようにするのがおすすめです。
コツ⑦ タオルドライは「ゴシゴシ」ではなく「包んで押さえる」
シャンプーが終わったら、すぐにタオルで水気を取りましょう。このとき、ゴシゴシとこするのはNGです。毛が絡まる・切れる原因になります。
正しいやり方は、大きめのタオルで全身を包んで、ポンポンと優しく押さえるように水気を吸い取ること。
吸水性の高いマイクロファイバータオルを使うと水気が早く取れてとても便利です。マイクロファイバータオルがなくても、普通のバスタオルを2~3枚使うとしっかり水気が吸い取れて乾かしが楽になりますよ。
バスタオルは惜しみなく何枚も使ってくださいとお客様にもお伝えしています。
コツ⑧ ドライヤーは「根元から」「低温で」「ブラシを当てながら」
タオルドライが終わったら、できるだけ早くドライヤーで乾かしましょう。濡れたままにしていると皮膚に雑菌が増えやすくなりますし、体が冷えてしまう原因にもなります。
ドライヤーのコツは3つです。
- 風は根元から当てる(表面の毛だけ乾かしても中が濡れたままのことが多い)
- 温度は低めに設定する(高温は皮膚・毛に負担になる)
- ブラシを当てながら乾かす(毛並みが整い、ふわっとした仕上がりになる)
乾かすのは一番時間がかかりますが、ここを丁寧にするかどうかで仕上がりが全然違います。
まずはこの3つから始めよう
8つのコツをお伝えしましたが、いきなり全部完璧にやろうとしなくて大丈夫です。まずは以下の3ステップだけを意識してみてください。
ステップ1:シャンプー前のブラッシングを習慣にする
これだけで仕上がりが大きく変わります。スリッカーブラシを用意してみましょう。シャンプーをする日に1度で全身ブラッシングをすると大変です。数日に分けてブラッシングすると犬も人も負担にならないので日々の週間化にするのがおすすめです。
ステップ2:シャンプーを4〜5倍に薄める
原液を直接使うのをやめて、洗面器やボトルで薄めてから使いましょう。ただし、薄めたシャンプーは時間がたつと雑菌がわきやすくなるので、シャンプーする日に使う分だけ薄めてください。
ステップ3:すすぎはいつもより倍の時間をかける
「もう十分かな」と思ってからもう少し流す。これを心がけてみてください。
この3つから始めるだけで、「なんかベタつく」「臭いが残る」という失敗がずっと減るはずです。
まとめ
犬の自宅シャンプーで大切なのは、特別な道具でも高価なシャンプーでもなく、正しい順番と手順を守ることです。
- 濡らす前にブラッシング
- シャンプーは薄めて使う
- シャンプーを泡立てて使う
- すすぎは徹底的に
- タオルドライはポンポンと押さえる
- ドライヤーは根元から低温でブラシをかけながら
これだけで、サロンのような仕上がりに少しずつ近づけることができます。最初から完璧にできなくても大丈夫です。愛犬が少しずつシャンプーに慣れていくのを、焦らずゆっくり見守ってあげてください。日々の積み重ねが、うちの子の笑顔につながっていると私は思っています。
シャンプーと一緒にお散歩グッズの準備も整えて、愛犬との毎日をより快適にしてあげてください。他にも犬との暮らしに関するお役立ち記事を書いていますので、ぜひあわせてご覧ください。